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February 2011

“字のないはがき               向田邦子
 
 死んだ父は筆まめな人であった。
 私が女学校一年で初めて親元を離れたときも、三日にあげず手紙をよこした。当時保険会社の支店長をしていたが、一点一画もおろそかにしない大ぶりの筆で、
「向田邦子殿」
と書かれた表書きを初めて見たときは、ひどくびっくりした。父が娘あての手紙に「殿」を使うのは当然なのだが、つい四、五日前まで、
「おい、邦子!」
と呼び捨てにされ、「ばかやろう!」の罵声やげんこつは日常のことであったから、突然の変わりように、こそばゆいような晴れがましいような気分になったのであろう。
 文面も、折り目正しい時候のあいさつに始まり、新しい東京の社宅の間取りから、庭の植木の種類まで書いてあった。文中、私を貴女とよび、
「貴女の学力では難しい漢字もあるが、勉強になるからまめに字引を引くように。」
という訓戒も添えられていた。
 ふんどし一つで家じゅうを歩き回り、大酒を飲み、かんしゃくを起こして母や子供たちに手を上げる父の姿はどこにもなく、威厳と愛情にあふれた非の打ちどころのない父親がそこにあった。
 暴君ではあったが、反面照れ性でもあった父は、他人行儀という形でしか十三歳の娘に手紙が書けなかったのであろう。もしかしたら、日ごろ気恥ずかしくて演じられない父親を、手紙の中でやってみたのかもしれない。
 手紙は一日に二通来ることもあり、一学期の別居期間にかなりの数になった。私は輪ゴムで束ね、しばらく保存していたのだが、いつとはなしにどこかへいっ てしまった。父は六十四歳でなくなったから、この手紙のあと、かれこれ三十年付き合ったことになるが、優しい父の姿を見せたのは、この手紙の中だけであ る。
 この手紙もなつかしいが、最も心に残るものをといわれれば、父があて名を書き、妹が「文面」を書いた、あのはがきということになろう。

 終戦の年の四月、小学校一年の末の妹が甲府に学童疎開をすることになった。すでに前の年の秋、同じ小学校に通っていた上の妹は疎開をしていたが、下の妹 はあまりに幼く不憫だというので、両親が手放さなかったのである。ところが、三月十日の東京大空襲で、家こそ焼け残ったものの命からがらのめに遭い、この まま一家全滅するよりは、と心を決めたらしい。
 妹の出発が決まると、暗幕を垂らした暗い電灯の下で、母は当時貴重品になっていたキャラコで肌着を縫って名札を付け、父はおびただしいはがきにきちょうめんな筆で自分あてのあて名を書いた。
「元気な日はマルを書いて、毎日一枚ずつポストに入れなさい。」
と言ってきかせた。妹は、まだ字が書けなかった。
 あて名だけ書かれたかさ高なはがきの束をリュックサックに入れ、雑炊用のどんぶりを抱えて、妹は遠足にでも行くようにはしゃいで出かけていった。
 一週間ほどで、初めてのはがきが着いた。紙いっぱいはみ出すほどの、威勢のいい赤鉛筆の大マルである。付き添って行った人の話では、地元婦人会が赤飯やぼた餅を振る舞って歓迎してくださったとかで、かぼちゃの茎まで食べていた東京に比べれば大マルにちがいなかった。
 ところが、次の日からマルは急激に小さくなっていった。情けない黒鉛筆の小マルは、ついにバツに変わった。そのころ、少し離れた所に疎開していた上の妹が、下の妹に会いに行った。
 下の妹は、校舎の壁に寄り掛かって梅干しのたねをしゃぶっていたが、姉の姿を見ると、たねをぺっと吐き出して泣いたそうな。
 まもなくバツのはがきも来なくなった。三月目に母が迎えに行ったとき、百日ぜきをわずらっていた妹は、しらみだらけの頭で三畳の布団部屋に寝かされていたという。
 妹が帰ってくる日、私と弟は家庭菜園のかぼちゃを全部収穫した。小さいのに手をつけるとしかる父も、この日は何も言わなかった。私と弟は、ひと抱えもあ る大物からてのひらに載るうらなりまで、二十数個のかぼちゃを一列に客間に並べた。これぐらいしか妹を喜ばせる方法がなかったのだ。
 夜遅く、出窓で見張っていた弟が、
「帰ってきたよ!」
と叫んだ。茶の間に座っていた父は、はだしで表へ飛び出した。防火用水桶の前で、やせた妹の肩を抱き、声を上げて泣いた。私は父が、大人の男が声を立てて泣くのを初めて見た。
 あれから三十一年。父はなくなり、妹も当時の父に近い年になった。だが、あの字のないはがきは、だれがどこにしまったのかそれともなくなったのか、私は一度も見ていない。
 

                           (平成18年版 中学校『国語2』 光村図書出版)
”
—『字のないはがき』 (via mizutamakillingme)
Feb 25, 2011198 notes
“

-可愛くて可愛くて-19
anchorage.2ch.net/test/read.cgi/baby/1256722862/l50

652 名前: 名無しの心子知らず [sage] 投稿日: 2009/12/14(月) 20:31:04 ID:ERfGxlOg

息子4歳
何か気に入らない事があって
「僕は今カンカンに怒ってるんだからね!」と言って
ホントに「カンカンカンカン…!」と呟いてたw

それだけでも笑えたのに、

「頭からコックさんの帽子みたいな煙も出てるんだからね!」

と言われて腹抱えて笑ってしまった。
もー、可愛すぎてたまらん

”
—育児板拾い読み@2ch カンカンに怒ってる (via jyamil) (via etecoo) (via otsune) (via peckori) (via realemotionaltrashbox) (via fukumatsu) (via amaisaeta)
2009-12-17 (via gkojay) (via coluli)
Feb 25, 2011157 notes
“

-可愛くて可愛くて-19
anchorage.2ch.net/test/read.cgi/baby/1256722862/l50

652 名前: 名無しの心子知らず [sage] 投稿日: 2009/12/14(月) 20:31:04 ID:ERfGxlOg

息子4歳
何か気に入らない事があって
「僕は今カンカンに怒ってるんだからね!」と言って
ホントに「カンカンカンカン…!」と呟いてたw

それだけでも笑えたのに、

「頭からコックさんの帽子みたいな煙も出てるんだからね!」

と言われて腹抱えて笑ってしまった。
もー、可愛すぎてたまらん

”
—育児板拾い読み@2ch カンカンに怒ってる (via jyamil) (via etecoo) (via otsune) (via peckori) (via realemotionaltrashbox) (via fukumatsu) (via amaisaeta)
2009-12-17 (via gkojay) (via coluli)
Feb 25, 2011157 notes
Feb 21, 20113 notes
Feb 21, 2011730 notes
“宇宙の話聞いてると明日仕事いかなくてもいいんじゃないのかなって思っちゃうよね” —木星の4倍のデカさの惑星が太陽系にあったことが判明 人類の力しょぼすぎわろた : 【2ch】コピペ情報局 (via proto-jp)
Feb 21, 20111,681 notes
“友人でも恋人でも、人間関係構築という視点で見ると、リスクテイカー、つまり断られるリスクを背負って「誘う人」って極端に少ないよね。だから、少数のリスクテイカーと、その人に気にいられた人に、果実が集中する。” —

Twitter / daichi

既成事実をつくってから確認という保険をかけて告白するヘタレは数多い

(via igi) (via syanaash) (via ak47) (via mnak)

(via ipodstyle) (via yaruo) (via webstocker)

同じ理屈で、お金なくてもパーティーとかどんどん企画すると指数関数的に世界が広がるよ

(via epxstudio)

(via otsune) 2010-01-07 (via gkojay) (via mnak)

(via honeybunnyread) (via takaakik)

Feb 21, 2011299 notes
Feb 20, 201120 notes
“690 名前:水先案名無い人[] 投稿日:2009/12/03(木) 17:07:02
大学の命の授業ってのをテレビでやってて、
自分に大切なものをメモ一枚一枚に書いていって
(趣味とか家族とか夢とか思い出とかモノとかなんでもいい)、
死ぬとは何かを失っていくことだから、一つ一つ失くすことを考えながら、
優先順位をつけて一枚一枚破っていくんだけど、
ほとんどの学生が一番最後に残すのは「母親」だって言ってた”
—命の授業 続・妄想的日常 (via yasunao)
2009-12-04 (via gkojax-text) (via ikkki) (via plasticdreams) (via ukar) (via motomocomo) (via kogure) (via nekonomi-note) (via puruhime) (via n0mzk)
Feb 14, 2011497 notes
“テレビの歴代黄門様が懲らしめた悪代官の人数は、
徳川幕府260年の期間に任命された全国代官の全人数の、すでに5倍以上になっている。”
—やる夫でコピペ 18スレ目
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12368/1253717588/ (via mcafee-x6)
Feb 12, 2011388 notes
Feb 09, 2011438 notes
“Mr Kan does himself few favours. Though a canny politician, he is a clumsy speaker, with none of Mr Koizumi’s razzmatazz. But he has one card up his sleeve: a growing popular frustration with the usual politics.” —

Japanese politics: Opening Japan to the world | The Economist

The Economistが珍しく日本の政治家を応援しているのだ。菅直人総理大臣なんだけれど。たしかに、菅総理が示唆している消費税増税とTPP加入、そして社会保障費の削減は政治家としては自殺行為であるほどの超積極策なんだよね。そして、これらのどれかを実行しないかぎりはデッドロックのままである、というのもかなり確からしいと思うな。

そしてこれらを実行するためには、ご本人の国民支持をもっと増やしておくべきだな。そのためにも本人のプロファイルをもうちょっと明らかにして庶民である国民に親近感を持たせるように動くべき。

というか、みんな、菅さんの自宅とか見たことある?僕は地元なので、吉祥寺の本屋やランチに行く時にわざと税務署の裏の線路沿いの菅さんの自宅の前を自転車で通ることがあるけれど、僕らの家とほとんど変わらない正真正銘の二階建てのウサギ小屋だよ。駐車場(この駐車場も涙が出るくらい狭い駐車スペースなのだ)にある警備のポリボックスが異様にでかく見える。しかも借家なのだ。たぶん、鳩山さんの音羽御殿の坪数でいくと1/100くらい?小沢さんの世田谷深沢の要塞御殿と較べても1/90くらいか、というくらいしかない小さい家なんだよ。吉祥寺や武蔵野市にもマンガ家(原哲夫や西原理恵子など)や作詞家(秋元康)の豪邸がたくさんあって、もうそれに比べたら見るも無残。あの自宅をみたら誰もが菅さんに対して応援する気持ちが出てくると思うな。ええっ…オレの家より狭いのか…そうか頑張っているんだな、と。いやもちろん、もしかしたら地上の上屋は仮の姿で、地下は実はドクター・イーブルの秘密基地のような大要塞になっているかもしれないけれどさ。

菅さんって「庶民派」政治家じゃなくて、庶民政治家そのものなんだよ。そんな都市庶民が首相になっているだけでもある種の奇跡だと思うな。しかも息子ふたりが元不登校児童で中卒というハンディキャップもある。これらのプロファイルはまさに今持っている菅さんの強みなんだから、そういった都市庶民としての自分の出自を出していかないと。

政権を開始した当初は怪しい経済理論を振りかざす人をブレーンに呼んだり、怪しげな政策を唱えたりとかなりビミョウだったけれど、最近は腹が据わったような印象で、少し期待感を僕は持ってきてはいる。

(via kashino)

Feb 09, 2011125 notes
Feb 07, 201162 notes
“通勤途中によく見かける男二人女一人の恐らく学生
女は男二人のうちの一人を狙ってること丸わかり。
大体立ってるんだがつり革に捕まらず男の袖や服のはしを軽く掴む。
話す時もそいつの顔をまっすぐと見つめ甘ったれた口調、もう一人には見向きもしない。
男二人は結構仲が良いらしく、色んな話題で盛り上がっている。そこに口を挟む女。
女が口を挟むと見向きもされない方の男はぴたりと黙って外を眺める。
狙われてる男は女と少し口をきいて、またもう一人の男に声をかける。
これはあの女フラれるな、と思って見ていたらある日女は狙っている男と二人で電車に乗ってきた。
意外にもいけたのか?と驚いたんだが男の無表情なこと。ほとんど口も開かないし
空いた席に一人で座るし、途中からもう女の事は総スカンで携帯開くもんだから女が泣き出したんだよ。
だけど男は無視。したら近くのおばさんが女に声をかけてさ、
「大丈夫?あなた、好きな人の友達は大切にしなきゃダメよー」
あー、皆あの三人が気になってたんだなあと思った。”
—No.3890 好きな人の友達 - コピペ運動会 (via michi66f) (via aurorae, june29)
2008-09-19 (via gkojay) (via daccot) (via kiri2) (via clione)
Feb 06, 20111,522 notes
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